今回の護身術は、相手に服を掴まれた時の対処方法を紹介する。
通常相手に掴まれた時、感情が高ぶって興奮するか、怯えてしまい相手に対して冷静な護身技ができなくなってしまうケースが多い。壁などに押し付けられて殴られてしまうケースなどは最悪のシナリオだ。今回はそうならないための護身技である。
相手の片手で胸倉を掴まれた場合、大事なことは相手と自分のポジショニングだ。
相手が柔道の引き手と釣り手をしっかりコントロール出来る場合は、今回の対処方法だと対処しきれない場合もあるが、この胸倉を掴むという行為は技としてはとても中途半端で、隙も多く出る。
私が相手に胸倉を掴まれたとしたら、それはとてもラッキーだと思ってしまう。なぜなら相手は、胸倉を掴むことによりその腕の活動を停止してしまうからだ。
そこに弱点が生まれ、攻撃する余地が出てくる。
相手が威圧するように胸倉を掴んできた(写真A①)。
左手で相手の手首をロックする(写真A②)。
次に右手で相手の手の平側からロックする(写真A③)。
腕を返して相手の掴んでいる手を外し、両腕をコントロールして相手の動きを封じ込める(写真A④~⑤)。
相手が最初から攻撃するつもりで自分の胸倉を掴んできた(写真B①)。
この時は、相手の動きのリズムよりも早く相手に攻撃を当てなければならない。
掴んできた瞬間、相手との距離が短い時に有効なフックパンチを使う(写真B②)。
相手よりも早くパンチのモーションに入っているので、顎を狙えば確実に入る(写真B③~⑤)。
相手の頭が下がってきたら、とどめの顔面膝蹴りを蹴る(写真B⑥)。
相手がこちらに向かってきて胸倉を掴んできた(写真C①~②)。
相手の腕を掴んで防御しようとしたところ、次の瞬間相手はパンチを打とうとしてきた(写真C③)。
相手がパンチで振りかぶった瞬間に、左腕を相手の首にかけ、左足を一歩前に進ませる(写真C④~⑤)。
相手のバックに回り、そのままチョークスリーパーに移行する(写真C⑥~⑦)。
チョークスリーパーのキャッチを取り、そのまま絞め落とす(写真C⑧~⑩)。
壁に押し込まれて両襟を持たれた(写真D①)。
左手で相手の左腕を逃がさないようにする(写真D②)。
右肩から半身にして大きくねじ込む(写真D③)。
腕を差した方向に回る。
そして相手に壁を背負ってもらう(写真D④~⑤)。
壁際で頭を押さえられた場合、まず左足を一本前に出す(写真E①~②)。
体を半身にして相手の衝撃力を奪い、こちらから腕を差した方に回る(写真E③~⑤)。
相手を倒す(写真E⑥~⑦)。
最後にマウントポジションを取り、相手を制圧する(写真E⑧)。
※雑誌についての詳細は、株式会社福昌堂編集部にお問合せください。電話番号03-3309-0954