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雑誌掲載記事

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月刊フルコンタクトKARATE2013年5月号 傘で攻撃してくる相手への対処方法

禅道護身術 連載 第17回

前回は、急に近づいてきて攻撃してきた相手に対する肘打ちの護身術を紹介した。
今回紹介する護身術の技は、傘で攻撃してくる相手への対処方法を紹介する。

傘は通常使用する限りでは、雨の時にとても便利な道具だが、これを人に向けると危険な武器に変化する。
しかし、対処方法がわかっていれば、相手に使われてもそんなに怖くない武器とも言える。
空手の技術での対処方法を紹介する。

傘を片手で突いてきた時の対処方法

明らかに攻撃意志のある相手が傘を持って構えてきた場合、こちらも構えなければならない。
この時、実は傘で攻撃する側には一つ問題がある。
それば攻撃方法が傘を持った瞬間に判断できるということだ。
傘の尖っている部分をこちらに向けてきた場合、一番怖いのが目を突いてくる攻撃だ。
空手ではジャブに相当する。
従って右手のガード上げて顔を守りながら左手は傘を払いやすい位置に持ってくる。
さらに相手との位置も相手の背中側に回るような感じでサイドにステップする(写真A1~2)

実際に相手が傘を目についてきた瞬間、さらにサイドステップをして左手で傘をパーリングで払う。
もちろん右手はガードしておく。
その後、左手で相手の傘の先端を下に向けさせる(写真A3~4)

次の瞬間、右ストレートで相手の顎を打ち抜いて倒す。
この時、傘を引きながらパンチを打つと、さらにパンチの威力が上がる(写真A5~6)

最後に相手の傘を持って、相手の手を自分の足で踏みながら傘を奪う(写真A7~9)

傘を両手で突いてきた時の対処方法

相手が確実に傘でこちらの顔を突こうと両手でしっかり握りながら攻撃してきた場合は、相手の傘の間合いに入る前に相手の背中の方向にサイドステップして相手の正面に入らないようにしながら、さらに半身になり相手から見える部分を最小限化する(写真B1~2)

相手が傘で突こうとする瞬間、前足で相手の傘をパーリングするように払いのける。
その時に足の土踏まずの部分で、傘を横から制することが重要だ(写真B3~5)

後は相手との間合いが近くなっているので、手で相手の傘を押さえながら、フックパンチを相手の顎に打ち込む(写真B6~8)

相手が倒れたら、先ほどと同じ要領で相手の傘を取る(写真B9~10)

傘を上から振り下ろしてきた時の対処方法

相手が傘を振り上げて上段から振り下ろしてきた場合は、初めに少しだけ右にステップインをする(写真C1)

相手が傘を自分の頭に振り下ろしてきた時に、左腕でブロッキングして防御する(写真C2)

相手の顎にフックパンチで攻撃して相手を倒す(写真C3~4)

その後はAの要領で相手の傘を取り上げる(写真C5)

傘を短く持って目を突いてきた時の対処方法

相手が傘を片手で短く持って目を攻撃してきた場合、半身になり相手から見える表面積を少なくする(写真D1)

相手が傘を突いてきた瞬間に、左手で傘の動く軌道をずらし、なおかつ相手のみぞおちを前足による蹴りで攻撃する(写真D2)

相手が少しうずくまったら、すぐに首相撲の姿勢を取り、相手の顔に膝蹴りを行って相手を倒す(写真D3~5)

今回は少し空手の技術が必要な技を紹介した。

ただ路上での護身術では、自身の行動が大事である。
たとえば携帯電話で話ながら歩いていると周囲の状況の変化に気づきにくいことから、最初の行動自体が遅れてしまう。
道路の真ん中を堂々と歩いていれば、いざというとき守らなければならない範囲も広がってしまう。
これらの事例は自分が少し注意して行動していれば、危険な目に遭う確率を下げられることは言うまでもない。

この連載では、そういったことを常に気を付けながらも相手が近くまで来てしまった……という前提で技を紹介している。

空手道禅道会 横浜支部の紹介・大畑支部長プロフィール

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