前回の護身術は、傘で攻撃してくる相手からの対処方法を紹介した。
今回は酔っ払いの人が絡んできた時の制圧方法を紹介する。
相手が酔っ払いの場合は強い打撃を打ってくるわけではないので、大事なのは強い打撃で殴らないということである。
相手がこちらを倒す気がないのにこちらが強い打撃で応戦したら、過剰防衛になってしまう。
酔っ払いの人には気を付けて対処して欲しい。
なお、護身術を用いるシチュエーションは個々に異なるので、当方では全ての責任を負うことができない。
連載で紹介した技術を用いる場合は、自己責任で行っていただきたい。
酔っ払っている人が他人の所有する壁や物を蹴っ飛ばしたり殴ったりして壊そうとしていた(写真A1~2)
相手の後ろから近づいていき、左腕で相手の脇を差して右腕を首から回す(写真A3~4)
自分の腕をロックして、相手を後ろに引き倒す(写真A5~8)
相手の首を自分の肩で前に圧迫しながら、ニーオンザベリーで相手の上に乗る(写真A9~13)
酔っ払っている人が自分を突き飛ばしてきた(写真B1~2)
その瞬間に右手で相手の手首を、左手で袖を掴み、相手の腕を伸ばしながらサイドに引く(写真B3~4)
その腕の肘関節をコントロールしながら折り曲げて、背中で押さえる(写真B5)
左腕で相手の奥襟を掴み、前に圧迫しながら倒す(写真B6~8)
相手が自分に絡んできて、自分の胸倉を掴んできた(写真C1~2)
左手で相手の手首、右手で相手の肘をコントロールする(写真C3)
肘を押さえている相手の右手で相手の肘を伸ばす(写真C4~6)
そのまま肘をコントロールして相手を倒し、相手の腕を折り曲げて制圧する(写真C7~10)
今回は少し組み技の要素が必要なものを紹介した。
世の中では何が起こっても不思議ではない。
常に周囲に気を配りながら危害に遭わないように気を付けよう。
本連載では再三述べているが、護身術は相手を制してこそ護身になる。
「次にやり返してやる」などという気持ちを相手に起こさせてはならない。
また、マウントパンチを連打して相手が悲惨な状態になるのも良くない。
できれば争いを避け、倒すならシンプルに倒す技を心がけたい。
私たちは常に自分自身をコントロールして、どんなピンチにも対抗できる技を武道を通して鍛錬しよう。
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