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月刊フルコンタクトKARATE2012年9月号 回し受けを利用しての護身術

禅道護身術 連載 第9回

前回は、一人もしくは多人数の相手が近づいてきて危害を加えられそうになった時の対処方法を紹介した。
今回は、回し受けを利用しての護身術を紹介する。

空手道禅道会では、回し受けは一番重要なポジションにある。
回し受けで大事なことは、体幹から指の先端まで気を入れることである。遠心力、加速度運動でエネルギーを発生させ、手に重みを伝えることにより相手の攻撃を防御する。

また回し受けは、鍛錬方法としても優れている。
丹田で発生したエネルギーを遠心力と円運動で先端まで伝える。その時に指から伝わる感覚を磨く鍛錬方法である。指は外部の情報を感じやすい部分なので、様子を探るアンテナとして適している。
この部分で相手の動きや心を察知できれば、より確実に相手の攻撃を防御できる。

回し受けのやり方

右手に卵をのせるつもりで柔らかく手を開きながら左腕の上に乗せリラックスして腹式丹田呼吸に集中する(写真A①)。

右肘を落とすようにしながら左腕を上に回していき遠心力と円運動をうまく使い腕を回す。
どんな技でも払うイメージ(写真A②~④)。

腕が上下に揃ったら脇を閉めて止める(写真A⑤~⑥)。

左右の手で自分の正中線を隠すように前に手を出してブロックの体勢を取る。
どんな技でもブロックするイメージ(写真A⑦)。

格闘技におけるジャブのかわし方

相手がジャブが当たる距離まで近づいてきてジャブ攻撃をしてくる(写真B①)。

回し受けの最初の動作で相手の攻撃を払う(写真B②)。

相手が首相撲を取りにきた時の対処方法

相手が間合いを詰めてきて首相撲を仕掛けようと左腕で首を取ろうとしてきた。
回し受けの最初の動作で相手の腕を上に払う(写真C①~②)。

払った腕で相手の首を取りもう一方の腕を添えて首相撲からの膝蹴りを行う(写真C③~④)。

相手が空手などをやっていて上段廻し蹴りを蹴ってきた時の護身術

相手が蹴りの間合いで一瞬止まって廻し蹴りのモーションに入ってきた。
ただしこの時は上段廻し蹴りか下段廻し蹴りかわからない(写真D①)。

回し受けの最初の動作で腕を下から円運動を描いて回す(写真D②)。

重みが伝わっている腕は相手の蹴り足に巻きつくので肘で相手の足をロックする(写真D③)。

回し受けのブロッキングの要領で腕を伸ばすと相手はバランスを崩して倒れてしまう(写真D④~⑤)。

寝ている相手を踏みつける(写真D⑥)。

相手が空手などをやっていて下段廻し蹴りを蹴ってきた時の護身術

相手が蹴りの間合いで一瞬止まって廻し蹴りのモーションに入ってきた。
ただしこの時は上段廻し蹴りか下段廻し蹴りかわからない。
回し受けの最初の動作で腕を下から円運動を描いて回す(写真E①~②)。

重みが伝わっている腕は相手の蹴り足に巻きつくので肘で相手の足をロックする(写真E③)。

ブロッキングの要領で腕を伸ばすと相手はバランスを崩して倒れてしまう(写真E④)。

寝ている相手を踏みつける(写真E⑤~⑥)

相手が壁を使い防御しようとしてきた時の護身術

壁際で相手が廻し蹴りを行ってくるのを防御し、相手の足をロックする(写真F①~②)。

腕はブロッキングの姿勢を維持して前進する(写真F③)。

相手は手を壁につくなどして反撃しようとする(写真F④)。

ブロッキングで伸ばした腕を有効に使い相手が近づいてくるのを阻止する(写真F⑤)。

相手をサイドに振って倒す(写真F⑥~⑦)。

相手を踏みつける(写真F⑧)。

まとめ

戦国大名の武田信玄は言った。
「戦は勝ちすぎてはいけない。六割勝てば良いのだ」と。

まさにその通りで、相手が根に持つような勝ち方はしてはいけない。また、自分がうぬぼれてしまう勝ち方もいけない。
だから私たちは常に自分自身をコントロールするために、武道を鍛錬するのである。

空手道禅道会 横浜支部の紹介・大畑支部長プロフィール

※雑誌についての詳細は、株式会社福昌堂編集部にお問合せください。電話番号03-3309-0954

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