前回は、相手が威圧しながら近づいてきた時のフックパンチでの護身術を紹介した。
今回は、相手がぶつかってきて相手との距離がなくなってしまった後の護身術の打撃を紹介する。
相手との間合いを取っていたはずが、一気に間合いを詰められてしまった。この時に蹴りや通常のパンチ攻撃を行ってもバランスが崩れて返り討ちに遭ってしまう。
とても危機的な状況での返し技の打撃である。
この間合いでの打撃もマスターしておくとピンチの時にも冷静に対処できる。
相手が急に距離を詰めてきて体当たり攻撃をしてきた(写真A1~2)
距離が離れた瞬間相手の襟の辺りを左手で掴む(写真A3~4)
左手で襟を引きながら右フックを打ち相手を倒す(写真A5~6)
相手とぶつかった後、通常のフック攻撃をするために距離を取ろうと半歩後ろに下がる(写真B1~2)
相手は下がったことに反応してフック攻撃を仕掛けてくる(写真B3)
相手のフック攻撃が少し早く出しているので、打撃をもらい倒れてしまう(写真B4~5)
相手がぶつかってきた後、相手はさらに体でプレッシャーを掛けてくるので、フック攻撃をする隙間もない状態(写真C1)
左手で相手の襟を掴み、その手を引きながらわきを締めた状態から肘攻撃を行う(写真C2~3)
相手のこめかみ辺りに肘をただ横にするような感じで肘打ちを小さく打って相手を倒す(写真C4~6)
相手とぶつかった状態から思い切り肘で相手を殴ってやろうと思い、振りかぶって打つ(写真D1~2)
相手はがら空きになった正面の顔目がけて頭突きのカウンター攻撃を仕掛けて攻撃をしてくる(写真D3~5)
相手がこちらの体を壁に押し付けてきて身動きを取れないようにコントロールしてくる(写真E1)
この時にすぐ相手の襟を掴む(写真E2)
次に両襟を引きながら頭突きで相手の顔面を打ち抜く(写真E3~5)
今度は相手が体ごと壁に押し付けてきて、距離を無くしてきた。男同士では少ないかもしれないが、男性が女性を襲ってくる時はこれに当てはまるかもしれない(写真F1)
相手の両襟を持ち、自分の体重で相手にぶら下がる(写真F2~3)
相手のバランスが崩れたところで、床を思い切り踏み込んで顎を引き体を伸ばすと、相手の顎に頭突きが当たり倒すことができる(写真F4~6)
今回紹介した技はどれもシンプルな技なので、少しコツを掴むとすぐに実践で使えるようになると思う。
護身術は、相手を倒してこそ護身になる。相手に反撃する気持ちを持たせてはいけない。
また、シンプルに倒す技、逃げる時間を稼げる技なら良いが、一対一でない場合もあるので、マウントパンチを連打するような技の組み立てだけでは対処しきれない場合もある。
私たちは常に自分自身をコントロールして、どんなピンチにも対処できる技を鍛錬しよう。それに最も適しているのが武道である。
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