前章では、横隔膜呼吸と腹圧によって体幹を作り、技に氣を通す方法について学びました。
しかし、武道修行においてさらに重要な概念があります。
それが「丹田(たんでん)」です。
丹田は、心と体、さらには氣の中心となる場所。
ここを意識し、鍛え、座禅と稽古の中心に据えることによって、武道家はブレない「芯」を持つことができます。
本章では、
を、実戦的かつ理論的に掘り下げていきます。
丹田とは、一般に
とされる場所です。
武道だけでなく、
などでも、非常に重視されています。
科学的に見ても、
ことがわかっており、丹田意識は心身の統合に直結していると言えます。
禅道会では、通常の座禅に加え、**丹田呼吸を意識した座禅(武道座禅)**を実践しています。
基本的なやり方は次の通りです。
吐く時間を吸う時間の倍に設定することで、副交感神経が優位になり、心が落ち着きます。
丹田がしっかり据わった武道家には、次のような特徴が見られます。
座禅中に丹田を意識することで、
が自然に養われます。
これにより、稽古や実戦の中でも、
という状態が作られるのです。
言い換えれば、座禅で丹田を育てることは、武道における「心技体の芯」を作る作業なのです。
禅道会の稽古では、
といった形で、座禅で培った丹田意識を、実戦動作にまで一貫して適用しています。
座禅と稽古の両輪によって、
を同時に育てていくのです。
項目 | 内容 |
---|---|
丹田とは | へその下に位置する体と心の中心点 |
丹田呼吸 | 呼吸を丹田に下ろし、腹圧と集中力を高める |
武道への効果 | 安定した姿勢、無駄のない技、動じない心を作る |
禅道会の修行法 | 座禅と稽古の中で丹田意識を徹底的に鍛える |
心を丹田に沈め、
体を丹田で支え、
技を丹田から生み出す。
これが、禅道会が追求する「芯のある武道」のあり方なのです。
【次章に続く】
第6章:座禅から立ち上がる武道稽古〜静から動へ — 無心で動くための鍛錬〜