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[武道 × 座禅 × 脳科学] 第4章:横隔膜呼吸と腹圧、武道における「氣」の正体

空手道禅道会リアルファイティングKARATE
武道 × 座禅 × 脳科学
心技体脳を統合する21世紀の武道修行

第4章
横隔膜呼吸と腹圧、武道における「氣」の正体
〜体幹を固め、技に氣を通すために〜

はじめに

座禅によって心と脳を鍛えることの重要性をこれまで見てきました。
しかし、武道修行においては、それだけでは不十分です。

心と技と体が一体となるためには、体の「芯」つまり体幹の力が不可欠なのです。
そして、その体幹を支えるのが、横隔膜呼吸と腹圧です。

さらに、武道で語られる「氣(き)」とは、この体内のエネルギーの流れと深く関わっています。

本章では、

  • 横隔膜呼吸とは何か
  • 腹圧がなぜ武道に不可欠なのか
  • 氣とは何か

を科学的、実戦的な観点から掘り下げていきます。

1. 横隔膜呼吸とは?

横隔膜は、胸と腹の間にあるドーム型の筋肉で、呼吸を司る中心的存在です。

  • 息を吸うとき → 横隔膜が下がり、肺に空気が取り込まれる
  • 息を吐くとき → 横隔膜が上がり、空気が排出される

日常の浅い胸式呼吸では、この横隔膜を十分に使っていません。
しかし武道では、横隔膜をしっかり使った深い腹式呼吸が求められます。

これにより、

  • 呼吸が深まり
  • 腹圧が高まり
  • 体幹が安定する

という効果が生まれます。

つまり、呼吸そのものが体の中心を作るのです。

2. 腹圧とは何か?

腹圧とは、腹腔内(お腹の内部空間)にかかる圧力のことです。

腹圧は次の筋肉によって作られます。

  • 横隔膜(上から押さえる)
  • 腹横筋(腹部の深層筋、コルセットのように締める)
  • 骨盤底筋群(下から支える)
  • 背筋群(後ろから支える)

これらの筋群が連携して腹腔を圧縮することで、胴体全体がまるで圧縮された筒のように強固になります。

これにより、

  • 体幹の安定
  • 技の威力の向上
  • 衝撃への耐性

が生まれます。

腹圧は、武道家にとって、単なる体の強さ以上に、**技を支え、動きを支え、心を支える「見えない支柱」**なのです。

3. 横隔膜呼吸と腹圧の連動

横隔膜呼吸を意識的に行うことで、自然に腹圧を高めることができます。

具体的には、

  • 息を吸うとき → 横隔膜が下がり、腹腔が広がり、腹圧が高まる
  • 息を吐くとき → 腹筋群が収縮し、さらに腹圧が高まる

この吸う・吐くの連動により、

  • 動きながらも体幹を強く保つ
  • 技を出す瞬間に最大の力を発揮する

ことが可能になります。

また、腹圧を意識することで、

  • 無駄な力みがなくなる
  • 身体の中心軸がブレなくなる
  • スタミナ消耗が抑えられる

という大きな利点もあります。

4. 武道における「氣」の正体

武道では古くから「氣」という概念が語られてきました。

「氣」とは何か?
それは神秘的なエネルギーではありません。

科学的に言えば、
呼吸・腹圧・意識が統一されたときに生まれる、体内エネルギーの流れ
だと言えます。

◆ 氣が乗った技とは?
  • 無駄な力みがなく
  • 体幹から末端(拳や足)へとエネルギーが流れ
  • 相手に伝わる力が強い

この状態を「氣が乗った技」と呼びます。

氣が乗ると、

  • 技が重く
  • 技が速く
  • 技が自然に出る

まさに、技・体・心が完全に一致した状態が生まれます。

5. 禅道会における横隔膜呼吸・腹圧・氣の鍛錬

禅道会では、日々の稽古の中で、

  • 横隔膜を意識した腹式呼吸
  • 腹圧を保ちながらの基本動作
  • 呼吸と技を完全に一致させる組手

を徹底的に鍛えています。

たとえば、

  • 突きの瞬間に「ハッ」と鋭く吐きながら腹圧を締める
  • 蹴りの発動時に腹圧で体を支え、バランスを崩さない
  • 受け技でも腹圧を維持して衝撃を吸収する

これらの積み重ねにより、

  • 氣が自然に乗った技
  • 技と心と体が一体化した動き

が実現していきます。

まとめ
項目内容
横隔膜呼吸体幹と腹圧を高める呼吸法
腹圧体幹を固め、技に威力と安定をもたらす
呼吸・腹圧・意識の統一から生まれる体内エネルギー
武道における応用技に自然な重みと速さを与え、心体一致を実現する

呼吸を制する者は、技を制する。
腹圧を高める者は、体を制する。
氣を通す者は、武道そのものを極める。

これが、禅道会が伝える「呼吸・腹圧・氣」の真の意義です。

【次章に続く】
第5章:武道座禅 — 丹田を中心に据える修行法〜心身の“芯”をつくる丹田呼吸と座禅〜

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