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総合護身術 護真会 代表 山本貴史の武道人生③

護身と通常の格闘競技との明確な差はどこにあるか?

山本に実際の競技の格闘技との決定的な違いはどこにあるかを訊ねたところ、「まずは一対一ではないということ。相手はどんな手口を使ってもOK。こちらはあくまでも法令順守です。相手はいつ仕掛けてもいい。そのあたりが決定的に違うんですね。見えない敵も多数、介在しているため、任務の間はまさに1~2秒、相手にタイミングを与えてしまうとジ・エンドになります。このあたりがゴングが鳴って始まる格闘競技とは違うところです」という回答があった。また、意外に思ったのは実際に格闘すればいいというのではないことだった。山本に言わせると、そうしなければならなくなった時点で任務は失敗だと言う。なぜならば、そういう状況になると自分も危ないし、守らなければならない対象者に危険を及ぼしてしまうため、あくまでも未然防止が重要になるのだ。そのための事前準備が大切とも言う。ただ、その場で行き当たりばったりのことはしないのだ。戦略的に計画をしてオペレーションを遂行する。戦略と戦術を常に落とし込みながらやっていくのがプロの仕事だと部下に教えているそうだ。いずれにしても、対象者の命・地位・財産を守るのが仕事。最悪、それを警護している者がたとえ命を落としたとしても、その屍を超えて別の者が守るというのを互いに認識して任務に当たっているそうだ。

「自分に万が一のことがあっても頼むぞ」という、究極の使命感である。それだけの気構えと信頼関係が大切になるのだ。いずれにしても、危機的状況にならないようにして戦略・戦術(オペレーション)を立てることが最重要。「実際に起こった時に対処するのは最後の手段として定義している」と山本は語る。彼の話は以下に続く。

「護真会のCQC(クローズクォーターズコンバット)は日本語で言うと近接戦闘・近接格闘の略です。受講生には自衛官やコアな人もおり、護身的思考に基づいた危機管理の戦略と戦術の全体を指導しています。指導内容は武器術ではナイフや銃のテクニックと取り扱いを学ぶほか、座学も行っています。爆発物の原理、特性を教授しているほか、日本国内における関係法令を認識しておくことも大切なので基本的なことも教えています。また、救命や救難(着衣泳法)なども指導し、とにかく最後まであきらめずに生還できるだけのテクニックと専門知識の修得を目指しています。そして、総合護身を考えると、対人だけでないんですね。護身をトータルにとらえて、総合護身術としているため、交通事故や自然災害などについても教えています。重要なナイフテクニックですが、実践訓練として限りなく本物に近いナイフを使っています。ゴム製のナイフと比べて圧倒的に緊張感が違いますからね。そして、素人に対するナイフの戦術をしっかりと身に付けてからプロの攻撃を学べるようにしています。ナイフを持てば、例え相手が素人だとしても侮れないのでその指導をしているのです。

プロのテクニックは脅威ですが、素人の攻撃にも対応できなければ本末転倒になってしまうので。その他、座学では危機管理を徹底的に学ばせることを目的としています。そこでリスクいうものを一つずつつぶしていくようにしています。クライアントを警備するに当たって、核シェルターにでもずっと隠れてもらえればいいのですが、そうはいきません。人前に出るリスクは当然あるので、それをいかに回避・対処していくか、バランスを考えた業務になっているのです。護真会の訓練はその受講者のモチベーションや持っているものを考えたうえでできるだけ安全に体得できるようにしています。特に実戦訓練では怪我のないように配慮しています。受講生には女性もいますが、今日の社会的な背景からも特に女性に学んでもらいたいと思っています」

 

テロリストに対するカウンター戦略が主流の訓練

総合護身術・護真会の特徴を山本に訪ねてみた。

「護真会の格闘術は実戦の中で培われたものを落とし込んだものが大きな特徴となっています。警護をして、いかに危険を回避するかが最大の特色。実際に人を守るとなると、喧嘩レベルの問題ではないんです。殺害を仕掛けるようなテロ行為なので、それ対する戦略・戦術を学ばなければなりません。そうなると、軍隊的な要素が入ってくるんですね」

つまり、テロリストに対するカウンター戦略が主流の訓練となっているのだ。そのあたりは通常の護身術とは違ってくる。プロ(軍隊)としてのスキルを一般に落とし込んだものとなっている。技術的なことを言うと、20~30年もかけて武道は達人になるが、テロリストの場合はいつ起こるか分からない。いつになったら、戦場に立たせられるかを考えたら、悠長なことは言ってはいられないのだ。だからこそ、警護に当たる人間は短期間である程度までのレベルに持って行かなければならないのである。山本からはこんな話も聞かされた。

「本能の中にある身を守るための反射ってあるじゃないですか。熱いやかんに手を触れた時に熱い!と手を引っ込める。目に小さなゴミが入っても目をつぶる。多数の相手に暴行を受けた場合、大抵は丸まって守ろうとする。そういう一連の本能の反射を利用することで訓練を行うのです。例えば目の前で銃を撃たれると、反対方向に逃げてしまう。しかし、その先にブービートラップがあってやられてしまうケースもあります。反射の動きを逆手にとられてしまうこともあるので、テロリスト側としての訓練をすることで、カウンターテロを養成するのです。ただし、正しい人間としての素質を忘れてはなりません。でなければ単なるテロリスト養成になってしまいます。そこで総合護身術護真会では七つの綱領を掲げて、一人ひとりが意識に落とし込んでそこから離れないようにしています。技術面で言うと、徒手の戦闘術もあります。だまし討ちであったり、背後から目をつぶして襲撃を仕掛けるなどの技術もあります。そういう軍事的な格闘術なので、何でもありです。寝技・関節技も含まれているが、寝技を決めている間に複数の相手に攻撃されるリスクもあるので、そうならないように対処する技術もあります。また、競技格闘技にあるようなハイキックは使いません。相手の頭を下げてから蹴るのです。また、相手がフル装備だったら、攻める部位も限られてくるので、防御されていない箇所を攻撃することもあります。また、ナイフも使っても徒手の延長線上になるんですね。ナイフと徒手至るまでの訓練が全てが一本化されています。護真会でナイフが多いのは日本では銃より刃物が手に入れやすく、犯罪にも使われるから。なので、ナイフテクニックを重視してナイフをやってから、徒手の攻撃に移行させています。致命傷を負わないところから反撃につなげていくような展開。相手の各部位を無力化するような状況まで持って行くのが護真会のスタイル。キーワードで言うと制圧と無力化になります。また、ナイフのみならず、身の回りにあるものも一貫して使えるように訓練しています。マジック一本も武器レベルの護身具になるし、100円ライターでもそう。通常の護身の備えとして持っていくことを素手と並行して指導しています。常に身を守れるよう、カスタマイズして護身の幅が広がるように努めています。自分にとって有利なものは相手にとっても有利になるので、会員には『固定観念を外して、頭を柔らかくしないとダメだよ』と伝えています。常識を疑って、想定外にならないような思考が大切になるのです」

 

禅道会・小沢代表との出会い、新座道場の道場長となる。

そんな山本がなぜ、禅道会と関わるようになったのか。それに対する回答が以下である。

「禅道会のことは以前から知っていましたが、出会いのきっかけはSNSです。小沢先生は閉鎖的ではなく、いろいろなところにアンテナを張られているんですね。そこでご縁をいただきました。実際に会って感じたのは、この方はなんて大きな心と好奇心を持っているのだろうということ。その後、交流を深めることで、小沢先生の人となりを知ることができました。そして、禅道会の大会を目の当たりにしたことで、これは明らかに何でもありの武道で、今までの武道を覆すものだと思いました。小沢先生曰く、『サイエンスの空手であり、かつ誰もが再現できる空手でなければならない』とのことでしたが、それがあるからこそ、誰もが上達できる指導体系になっているということが分かりました。現在、禅道会の新座道場の道場長を任せられ、RF武道空手協会の総合護身技術顧問という役職をもらっています」

 

子どもたちには生きる力を育む場を提供してあげたい

「新座道場では子どもたちの指導に当たっていますが、子どもたちには生きる力を育む場となってあげたいです。あくまでも武道だから礼の精神を教えたいですね。相手をリスペクトし、人のことを考えられるのも武道の心。そういったものを身につけることで、自分の人生を切り開いていける人になって欲しいと思っています。護真会としては設立当初からの綱領に沿った生き方を門下の方々にしていただければと思っています。また、自助(自分で守る)・共助(共に守る)・公助(公に守る)の部分の特に自助・公助をやっていきたいと思っています。自分たちの身は自分たちで守る。できなければ、お互いに助け合って身を守る。そういう心構えとスキルを持った人間が増えれば、凶悪犯罪も減らすことができるでしょう。また、護身と書きますが、あえて『護真会』としているのは真理を守っていく、物事の本質を考えて守っていくという意味合いを込めています。さらに、藤田まことの本名が『原田真』でした。藤田まこと他界後に、株式会社藤田まこと企画という会社を長女の原田敬子を代表取締役として、権利関係を守る会社を運営しています。許諾関係は全てここが行っているのですが、未来永劫にわたって、藤田まことを守っていこうという自分自身の決意の表れでもあるのです。そして、最終的な目標としては命の完全燃焼をしたいですね。大事なのはどうありたいか。それを目指していきたいと思っています」

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