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[武道 × 座禅 × 脳科学] 第6章:座禅から立ち上がる武道稽古

空手道禅道会リアルファイティングKARATE
武道 × 座禅 × 脳科学
心技体脳を統合する21世紀の武道修行

第6章
座禅から立ち上がる武道稽古
〜静から動へ — 無心で動くための鍛錬〜

はじめに

これまで座禅によって、

  • 心を整え
  • 丹田を中心に据え
  • 身体と呼吸と意識を一体化する

方法について学んできました。

しかし、武道においては、座って静かにしているときだけ心を整えていても、意味がありません。

動きの中でも心を乱さない。
戦いの最中でも無心でいる。

これが本当の修行です。

本章では、

  • 座禅の静けさを動きの中に持ち込む方法
  • 無心で動くための鍛錬プロセス
  • 禅道会における「動禅」の実践

について掘り下げていきます。

1. なぜ「座禅から動きへ」なのか?

座禅で得られる静寂は、貴重なものです。
しかし、実戦では

  • 相手の攻撃
  • 不測の事態
  • 自らの恐怖や焦り

が次々と押し寄せます。

この激しい「動」の中で、なお心を動かさない。

これが「動中の静」の境地であり、武道家にとって不可欠な資質です。

座禅で作った「静」を、
動きの中に持ち込めるかどうか
ここに、真の修行の深みがあります。

2. 静中の動、動中の静とは?

「静中の動」とは、
座っている静けさの中にも、微細なエネルギー(氣)が満ちていること。

「動中の静」とは、
激しく動いていても、心の中心は静かであること。

この二つは表裏一体であり、

  • 座禅だけでは完成しない
  • 稽古や組手だけでも完成しない

座禅と武道稽古を両立させることで、はじめて本当の意味で体得されるものです。

3. 無心で動くための鍛錬プロセス

禅道会では、座禅から実戦動作へと自然に移行するために、次のような段階的鍛錬を行っています。

◆ ステップ①:座禅後、ゆっくり立ち上がる

座禅を終えたら、いきなり激しく動き出すのではなく、

  • ゆっくりと体を起こし
  • 呼吸を整え
  • 丹田意識を保ったまま立ち上がる

静寂を壊さず、静けさを体に留めたまま立つ感覚を養います。

◆ ステップ②:静かな動きで基本技を出す

立った状態から、

  • ゆっくりと正拳突きを出す
  • ゆっくりと前屈立ちで進む

このときも、

  • 呼吸
  • 姿勢
  • 丹田意識

を完全に統一させながら動きます。

技を「出す」のではなく、
技が「出る」状態を感じ取ることが目的です。

◆ ステップ③:スピードを上げながらも無心を保つ

基本動作に静けさを持ち込めたら、徐々にスピードを上げていきます。

  • 通常の稽古スピード
  • ミット打ち
  • ステップワーク

激しく動いても、心の中心にある静けさを崩さない。

これができれば、組手や試合でも無心で動くことができるようになります。

4. 禅道会における「動禅」の実践

禅道会では、座禅と実戦稽古の橋渡しとして、独自の「動禅」稽古を取り入れています。

◆ 動禅稽古の流れ
  • 座禅(静)
  • 基本稽古(呼吸と技を一致)
  • 移動稽古(動禅)
  • 軽い組手(呼吸と心の静けさを保つ)

この一連の流れを通じて、静から動へ、動から静へ、自由に行き来する力を養います。

◆ 呼吸カウント組手

呼吸をカウントしながら組手を行う稽古法も取り入れています。

  • 吸うとき:構え直し
  • 吐くとき:攻撃または受け

この稽古により

  • 呼吸リズムと技の発動が一致し
  • 無駄な力みがなくなり
  • 心の静けさを維持したまま動く

ことができるようになります。

5. 無心とは「無意識」ではない

ここで大切なのは、
無心=無意識ではない
ということです。

無心とは、

  • 高度な集中状態
  • クリアな意識
  • 繊細な感覚の鋭さ

を持った状態です。

つまり、

  • 「考えすぎず」
  • 「感じすぎず」
  • 「自然に反応できる」

この絶妙なバランスこそが、本当の無心なのです。

まとめ
項目内容
静中の動座禅中にも氣が満ちる
動中の静動きの中でも心の静けさを保つ
動禅稽古静から動へスムーズに移行する訓練
無心高度な集中と自由な動きの統一

座禅で作った静寂を、そのまま動きへ、戦いへとつなげる。

これが、禅道会が追求する「静と動の統一」の武道修行なのです。

【次章に続く】
第7章:禅道会における組手と「心の間合い」〜間合いを制する者が戦いを制す〜

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