これまで座禅によって、
方法について学んできました。
しかし、武道においては、座って静かにしているときだけ心を整えていても、意味がありません。
動きの中でも心を乱さない。
戦いの最中でも無心でいる。
これが本当の修行です。
本章では、
について掘り下げていきます。
座禅で得られる静寂は、貴重なものです。
しかし、実戦では
が次々と押し寄せます。
この激しい「動」の中で、なお心を動かさない。
これが「動中の静」の境地であり、武道家にとって不可欠な資質です。
座禅で作った「静」を、
動きの中に持ち込めるかどうか
ここに、真の修行の深みがあります。
「静中の動」とは、
座っている静けさの中にも、微細なエネルギー(氣)が満ちていること。
「動中の静」とは、
激しく動いていても、心の中心は静かであること。
この二つは表裏一体であり、
座禅と武道稽古を両立させることで、はじめて本当の意味で体得されるものです。
禅道会では、座禅から実戦動作へと自然に移行するために、次のような段階的鍛錬を行っています。
座禅を終えたら、いきなり激しく動き出すのではなく、
静寂を壊さず、静けさを体に留めたまま立つ感覚を養います。
立った状態から、
このときも、
を完全に統一させながら動きます。
技を「出す」のではなく、
技が「出る」状態を感じ取ることが目的です。
基本動作に静けさを持ち込めたら、徐々にスピードを上げていきます。
激しく動いても、心の中心にある静けさを崩さない。
これができれば、組手や試合でも無心で動くことができるようになります。
禅道会では、座禅と実戦稽古の橋渡しとして、独自の「動禅」稽古を取り入れています。
この一連の流れを通じて、静から動へ、動から静へ、自由に行き来する力を養います。
呼吸をカウントしながら組手を行う稽古法も取り入れています。
この稽古により
ことができるようになります。
ここで大切なのは、
無心=無意識ではない
ということです。
無心とは、
を持った状態です。
つまり、
この絶妙なバランスこそが、本当の無心なのです。
項目 | 内容 |
---|---|
静中の動 | 座禅中にも氣が満ちる |
動中の静 | 動きの中でも心の静けさを保つ |
動禅稽古 | 静から動へスムーズに移行する訓練 |
無心 | 高度な集中と自由な動きの統一 |
座禅で作った静寂を、そのまま動きへ、戦いへとつなげる。
これが、禅道会が追求する「静と動の統一」の武道修行なのです。
【次章に続く】
第7章:禅道会における組手と「心の間合い」〜間合いを制する者が戦いを制す〜